実測比較・レンタルサーバスピード選手権!WordPressが速いのは?
2015/08/01
WordPressの高速化施策!レンタルサーバの引越しをする
WordPressが早いレンタルサーバを探すきっかけ
現在、この WordPressで構築しているエス技研ブログの表示のスピードアップに取り組んでいるのですが、ロリポップのサーバは Googleの Page Speed Insightsのチェックで、サーバのレスポンススピードが遅いと言われてしまっています。
「サーバーの応答時間を短縮する」
「お使いのサーバーは 1.8 秒で応答しました。」
そんなわけで、スピードアップの施策の 1つとしてサーバ自体を変えることも検討してみました。
で、どのサーバにしたらいいのかあれこれ調べていたらすでにチェックしている方々のサイトを発見しました。
http://rs-hikaku.com/
http://bazubu.com/how-to-choose-wp-server-22864.html
ほほー。なるほどなるほど。
サンプルプログラムの実験は非常に役に立つなぁ。
これを見る限りでは X-Serverが良さそうだと思ったんですが、でもこれはあくまでもハードウェアのスペック表であり、サンプルのプログラムでの実験なわけです。
なので、
じゃぁ、自分の WordPressのブログを実際に動かした場合、どれくらいの結果になるのだろうか?
と思い、そしてそれぞれのサーバには試用期間があって実際にお試しが出来るワケなので、WordPressのサイトをコピーしてテストしてみることにしたのです。
レンタルサーバスピード選手権・エントリーサーバーリスト
サーバの選定基準は、先にあげたバズ部さんのページに掲載があったサーバの中から、現在利用中のロリポップサーバから乗り換えることを目的として
乗り換え先として選びうるサーバであること
ということで、より具体的に
月額 1,000円~2,000円程度
と言うことで選びました。
複数のプランがあるサービスでは上記の金額に当てはまる 1つのプランを選びました。表示の価格は税別です。
エントリーしたサーバは以下の通りです。
ロリポップ・ロリポプラン
これが現在借りているサーバです。
http://lolipop.jp/
初期:1,500円
月額:300円(6ヶ月単位払い 250円)
HDD容量:50GB
DB :1個
提供会社:GMOペパボ株式会社
ヘテムル
http://heteml.jp/
初期:3,950円
月額:1,500円(24ヶ月単位払い 1,375円)
HDD容量:256GB
DB :100個
提供会社:GMOペパボ株式会社
エックスサーバ・X10プラン
http://www.xserver.ne.jp/
初期:3,000円
月額:1,200円(3ヶ月単位。6ヶ月単位払い 1,100円。12ヶ月単位払い 1,000円。)
HDD容量:200GB
DB :50個
提供会社:エックスサーバー株式会社
エックスツー・スタンダードプラン
http://www.xserver.ne.jp/
初期:6,000円
月額:2,372円(3ヶ月単位。6ヶ月単位払い 2,086円。12ヶ月単位払い 1,800円。)
HDD容量:100GB
DB :無制限
提供会社:エックスサーバー株式会社
さくらインターネット・プレミアムプラン
http://www.sakura.ad.jp/
初期:953円
月額:1,429円(12ヶ月単位払い 1,286円。)
HDD容量:200GB
DB :50個
提供会社:さくらインターネット株式会社
バリューサーバ・ビジネスプラン
http://www.value-server.com/
初期:3,000円
月額:4,000円(3ヶ月単位払い 3,333円。6ヶ月単位払い 2,500円。12ヶ月単位払い 1,667円。)
HDD容量:400GB
DB :無制限
提供会社:GMOデジロック株式会社
コアサーバ・CORE-B
http://www.coreserver.jp/
初期:1,905円
月額:943円(3ヶ月単位払い 917円。6ヶ月単位払い 919円。12ヶ月単位払い 785円。)
HDD容量:240GB
DB :無制限
提供会社:GMOデジロック株式会社
クローバーサーバ
http://www.clouver.jp/
初期:5,000円
月額:1,800円(3ヶ月単位。6ヶ月単位払い 1,500円。)
HDD容量:150GB
DB :50個
提供会社:ネットオウル株式会社
レンタルサーバスピード選手権・WordPress杯・結果発表!
レンタルサーバの実測結果
各レンタルサーバで実測した結果は以下の通りです。
1 2 3 4
ロリポ 61/74 58/76 62/79 57/70
ヘテムル 66/79 62/81 70/82 59/73
X10 64/76 63/82 71/83 60/74
X2サーバー 62/75 63/82 70/82 60/74
さくら 65/75 61/82 69/81 59/73
バリュー 59/71 60/78 68/80 58/72
クローバー 65/78 62/81 71/83 59/73
コアサーバ --/-- --/-- --/-- --/--
レンタルサーバスピード選手権の実施条件
スピードテストを行った際の実施条件は以下の通りです。
・スピードテストの計測は「Page Speed Insights」実行
・結果の値は「スマホ/PC」の数値
・1~4は下記のページを対象に計測
1:http://wordpress.s-giken.net/
2:http://wordpress.s-giken.net/206
3:とあるブログのトップページ
4:とあるブログの1つの記事
・対象のブログを各サーバにコピーし、正常に動作することを検証したうえでスピード計測を実施しました。
※サイトの引越し方法については近日中に公開予定!
・2015年04月19日(日)に実施
・朝から夜まで時間を変えながら 10回計測し、一番多く出た値(最頻値)を掲載しています。
※平均値、中央値などではありません。
・「SEO対策!.htaccessのmod_deflateでファイル圧縮送信で高速化」「SEO対策!.htaccessのmod_expiresでブラウザキャッシュで高速化」などの対応は実装した状態になっています。
・コアサーバは、実験実施不能でした(詳細は後述)。
スピード計測対象ページについて
実験対象としたサイトは、そもそもこのエス技研ブログの引越し先を探していましたので、このブログを対象にすることは当然として、もう一つのサイトは、トータルで記事が 1000件ほどあり、私の管理している中では最大の記事数があるブログであるために選択しました。
また、詳細ページとして「http://wordpress.s-giken.net/206」を選択したのは、文字数、画像が多いことと、Crayon Syntax Highlighterが記事内にあることでした。
また、「3」のブログは、毎日定点観測的な情報提供サイトであるため、4の詳細ページはどの記事を選んでも大差ないことから最新の記事を選択しました。
レンタルサーバスピード選手権後の考察
実験をしてみて最初に感じたのは、
ロリポップは、激安サーバなのにかなり優秀じゃないか?
と。
バリューサーバーは、ロリポップと同レベルのため、これは明らかに選択肢から外れるレベルですね。
それ以外の、ヘテムル、X10、X2、さくら、クローバーは細かな違いはあるものほぼ同じと考えていい結果です。
また、上記に掲載した結果の一覧では分からないのですが、サーバによってはレスポンスの波が大きいものもありました。
その点でもロリポップは非常に安定していて、常に一定の結果を出していました。同じくペパボのヘテムルも同様に安定した結果を出しました。
対して、Xサーバ、X2サーバは高い数値も出るものの、極端に低い数値が出るときもありました。
これは、サーバそのものの性能の問題の可能性はあるものの、同じサーバ内に同居している他のサイトの影響を受けている可能性もあり、他のサイトの影響を受けやすい設定になっている可能性を否定できません。
上記の結果の値は平均ではありませんので、極端に悪い値が出た場合でもそれによって上記の数値は悪くならないため、Xサーバ、X2サーバは優秀なように見えていると言う見方も出来ます。
ちなみに、「Page Speed Insights」で出ていた「サーバーの応答時間を短縮する」ですが、ブログのトップページ(1、3)では消えませんでしたね。
データベースから値を取得し、一覧ページを生成すると言う処理が重たいのかもしれないですね。
WordPressに最適なレンタルサーバは?
WordPressにはヘテムル、Xサーバ、さくら・プレミアムを
実験結果と月々のコストを考えると
ヘテムル
Xサーバ・X10プラン
さくらインターネット・プレミアムプラン
のどれかを選べばいいでしょう。
「月額費用は少しでも安い方が」と思うのであれば X10ですが、ストレージの容量・データベースの数が気になるなら ヘテムルが優位ですし、初期費用の安さではさくらが魅力的です。
また、実際に実験はしていませんが、さくらのスタンダードプランとプレミアムプランと CPUなどの条件が同じでストレージだけの差なのであれば、スタンダードプランは激安と言うことになりますね。
あとは、この 3つの中からあなたが持っている印象で選べばいいんじゃないかと思います。
例えば、私はこれまでペパボのサーバを使ってきましたので、同じ会社が提供しているヘテムルでいいんじゃないかなぁ、と思っています。
逆に GMO系列だからイヤっていう方もいるんじゃないかと思いますので、好みで問題ないレベルだと思います。
ほかには、実際に管理画面を使ってみて、どの管理画面が使いやすいかを比べてみるのもいいんじゃないかと思います。
管理画面はそれぞれの会社で特徴が出る部分ですからね。
WordPressの初心者はロリポップで充分
今回は、ロリポップサーバからの移転する目的でサーバを探しましたので、ロリポップサーバは比較対照のベースのプランでしたが、これから WordPressでブログを始めたい方にはロリポップサーバをオススメしますね。
先にも書きましたが、価格を考えるとロリポップサーバは非常に優秀だと言うことが改めて確認できました。
ロリポップのロリポプランと X-Serverの X10プランとの価格差は 4倍ありますが、スピードのポイント差は 1割にも満たないワケなので、これから始める方にとってはロリポップの価格は魅力的ですね。
さらには、「SEO対策!.htaccessのmod_deflateでファイル圧縮送信で高速化」にも書いていますが、ロリポップサーバはあらかじめ mod_deflateによってファイルを圧縮して送信する処理など、初心者でも知らないうちに高いパフォーマンスを享受できる設定になっています。
もっとも、他の格安プランとの比較ではありませんので、他のサーバの格安プランでも十分なパフォーマンスを出す可能性はありますが、初めて WordPressでブログを始める方にロリポップ・ロリポプランは何の躊躇もなくお勧めできるサーバということは言えますね。
レンタルサーバを選ぶときのポイント
トップページと個別ページの数値のどちらを優先するかについては、私のブログでは詳細ページの数値を優先したいですね。
なぜなら、このエス技研ブログではロングテールのキーワードによる個別ページへの来訪者が 99%で、検索からトップページに来る来訪者はほとんどないからです。
サイトによっても違うと思いますので、自社サイトのアクセス状況を見てそれぞれのサイト毎にどちらがいいか選ぶといいでしょう。
実験結果のリストにないコアサーバについて
最初のサーバのリストにありつつ、結果の数値が編集されていないコアサーバですが、ファイルがアップロードできず、実験の実行が不可能でした。
ファイルをアップロードしている最中の 10MBほどアップロードしたところで下記のエラーがでて、それ以上アップロード出来なくなりました。
Transfer aborted. Disk quota exceeded.
(転送を中断。ディスクの容量制限をオーバーしました。)
何度かファイルを削除してやり直してみたり、CORE-Bでダメだったから CORE-Aも追加申込みをした上で改めて試してみましたが、やはりダメでした。
マニュアルなども少し探してみましたが、どこにあるかよく分からず、実験対象から外すことにしました。
そもそも、アカウントの登録フォームから不親切すぎるのです。
コアサーバは、バリュードメインのアカウント登録画面と共通のアカウント登録画面なのですが、不親切というか、ホントにテストしたの?と思えるような状況です。
名前や住所を入力すると、入力値に基づいたアルファベットの入力値が自動的に編集される処理が行われます。会員情報はそのままドメインの登録情報として使われるため、本来は便利な機能です。
ですが、そのアルファベットの入力値の入力エリアは折り畳まれて非表示となっているエリアになっているので、気付かなければそこに入力エリアがあるかどうかは分からないのです。
そして、そのような状況でありながら、その非表示のエリアで入力エラーが発生するのです。しかも、エラーを見ても結局何がエラーだと指摘されたのかが分からず...
結局任意エリアだったために全てのテキストを削除するという二度手間が発生しただけでした。
GMOデジロックのサービスは、二度と選択することはないでしょう。残念。
その他実験している途中に感じたこと
その他、感じたことは、X-Serverと Netowlの管理画面はよく似ていましたね。
データベースの管理方法は全く同じでしたし。
ただ、管理画面の全体的な作りは X-Serverの方に一日の長があるような感じでした。
コアサーバと バリューサーバは契約管理は共通ですが、サーバの設定画面は似ているものの別物で、バリューの方が分かりやすかったですね。
また、バリューサーバのデータベースは、別サーバではなく localhost接続だったのにはオドロキでしたね。
レンタルサーバの実測結果・平均値
最後に。
今回の検証の結果は最頻値という、一番頻繁に出現した値を結果として提供しています。
理由は、現在行っている Webサイトの高速化施策の対象のサーバが、現在運用中のロリポップサーバだという点です。
ロリポップのレスポンスは非常に安定しているため、他の施策の検証の際も Page Speed Insightsで 3、4回の検証をしてもほぼ同じ値が出てくるため、結果として最頻値を用いる方がベターだと判断していました。
ただ、ロリポップ以外のサーバは意外に結果の値にばらつきがあることが分かりまして、最頻値だけでは正確な結果を表せていない可能性もあるため、今回は平均も出してみることにしました。
その結果が以下の内容です。
1 2 3 4
ロリポ 61.0/74.0 58.0/76.5 61.8/78.8 56.8/70.5
ヘテムル 65.4/77.5 62.0/81.0 69.9/80.5 59.0/73.0
X10 63.4/76.4 62.5/81.8 68.9/80.8 59.5/73.5
X2サーバー 63.3/75.4 62.5/82.0 68.5/80.1 59.4/73.4
さくら 64.0/76.6 61.1/79.9 68.9/80.5 58.3/72.5
バリュー 58.1/70.4 59.9/78.3 67.8/79.0 58.0/72.0
クローバー 63.8/76.9 61.8/80.6 70.1/82.5 59.1/73.4
コアサーバ --.-/--.- --.-/--.- --.-/--.- --.-/--.-
平均にすると、極端な低い値が出なかったロリポップサーバは数値はほぼ変わらないのですが、ロリポップ以外のサーバは極端に低い値が出ている場合が多いため、軒並み数値を下げる結果となっています。
それにより、ロリポップサーバとの差がさらに小さくなっていて、ロリポップから積極的に乗り換える必要があるのだろうか?と言う疑問がわいてくる内容になってしまっています。
さぁて、いつ乗り替えるかなぁ。
ちなみに、ページ表示の高速化施策として「WordPressの高速化でSEO対策!広告費も削減!高速化の施策のまとめ」にまとめ記事を書いていますので、あわせて参考にしてみてください。
X Serverには mod_pagespeedと言う加速装置が付いている 2015.08.01追記
このスピード選手権の実験をしたときには知らなかったのですが、X Serverには Googleが作った mod_pagespeedと言う加速装置が取り付けられていることを知りました。
この記事を書いているときからサーバの引っ越し先は X Serverにしようと決めていましたが、mod_pagespeedの存在を知って改めてその選択は間違いがなかったことを確信しました。
なぜ X Serverに乗り換えるのかについて改めて詳しく言及している記事を下記に書いています。
ロリポップからX-Serverに引越し。サーバの月額費用が増えても求めた理由は?
そして、その理由が Webサイト高速化の最終兵器とも言える Google謹製の mod_pagespeedの存在があったわけですが、mod_pagespeedとはそもそもなんなのか、ただボタンを Onにするだけでも高速化するわけですが、それをさらにあなたのサイトにぴったり来る設定にする方法についての解説記事を下記に書いていますので、あわせて参考にしてみてください。
高速化の最終兵器・Google謹製mod_pagespeedでWebサイトを超簡単高速化
Google謹製mod_pagespeedの詳細設定解説・カスタマイズで高速化
蛇足にもなりますが、ロリポップと X Serverはそもそもの考え方が違いますので、引越しをする際には設定するべきポイントも違ってきます。
その違いを明確にして間違いがない設定方法について解説しています。
X Serverへの引越しの注意点まとめ。ロリポップとの違いと対処方法 6事例
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